薬局名や「地域名+薬局」などで検索されたときに表示される Googleマップの情報(Googleビジネスプロフィール)は、患者が薬局を比べる経路の一つです。表示される名称・住所・営業時間が、薬局機能情報提供制度での報告内容やホームページと食い違っていると、比べる段階で不信感につながります。 この記事では、Googleのガイドラインにもとづく登録・運用の手順と、薬局特有の注意点(クチコミと薬機法)を整理します。
1. 登録前に確認すること
重複プロフィールが無いか
Googleのガイドラインは、1つのビジネスにつきプロフィールは1つだけと定めています。過去に作成されたプロフィールが無いか、まず薬局名で検索して確認します。複数店舗を運営するチェーンは、店舗ごとに1つずつプロフィールを作成します。
オーナー確認の方法
プロフィールを管理するには、オーナー確認(本人確認)を受ける必要があります。確認方法はGoogleが自動で決定し、次のいずれか、または組み合わせになります。
| 確認方法 | 内容 |
|---|---|
| 電話・SMS | ビジネスの電話番号に届く確認コードに応答する |
| メール | 登録したメールアドレスに届く確認リンクを開く |
| 郵送(ハガキ) | 通常14日以内に届くハガキの確認コードを入力する(コードは発行から30日で失効) |
| ライブビデオ通話 | 営業時間内に、現在地・設備・管理権限を示す |
審査には5営業日ほどかかるとされています。
2. 登録する情報を、他の経路とそろえる
- 薬局名:保険薬局の指定を受けた際の名称、または薬局機能情報提供制度で報告している名称と一致させます。キャッチフレーズや営業時間などを名称に含めることはガイドラインで禁止されています
- カテゴリ:「薬局」に当たる最も具体的なカテゴリを、できるだけ少なく選びます
- 住所:実際の所在地を正確に登録します。私書箱やバーチャルオフィスは使えません
- 営業時間:患者からの問い合わせ・来局に対応できる、通常の時間を入力します。処方箋受付時間と店舗の営業時間が異なる場合は、区別して案内できる場所(説明文など)に明記します
- 説明文・写真:対応できる内容(在宅対応、健康相談、かかりつけ薬剤師の在籍など)を、薬局機能情報提供制度の報告内容やホームページと矛盾しない範囲で具体的に書きます
3. クチコミへの対応(薬局特有の注意点)
Googleのポリシー
Googleのクチコミに関するポリシーは、事業者による次の行為を禁止しています。
- クチコミの投稿や、否定的なクチコミの修正・削除と引き換えに、金銭・割引などのインセンティブを提供すること
- 利用者にその場での投稿を要求・強要すること、特定の内容を含めるよう指定して依頼すること
一方で、インセンティブを与えず、評価や内容に影響を与えようとせずに、実際の利用経験にもとづく投稿を募る・呼びかけることは許可されています。
薬機法上の注意点
薬局のクチコミでは、Googleのポリシーに加えて、薬機法第66条(誇大広告等の禁止)にも注意が必要です。同条第1項は、医薬品の効能・効果に関して、明示的か暗示的かを問わず、虚偽または誇大な記事を広告・記述・流布することを禁じています。第2項では、効能・効果について「医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事」も、第1項に該当すると定めています。
「この薬を飲んだら〇〇が治った」といった、医薬品の効能・効果を保証するかのようなクチコミを薬局側が誘導・利用(例えば店頭やSNSで積極的に引用・宣伝する)すると、この規定に触れるおそれがあります。クチコミの投稿そのものは患者の自由ですが、薬局側からそうした内容を書くよう促したり、投稿された効能効果に関する記載を広告として転用したりしないことが重要です。
4. 更新の運用
- 薬局機能情報提供制度・ホームページ・Googleビジネスプロフィールを同じ日に更新する:営業時間や取扱い可能な内容を変えたら、経路ごとに更新日がずれないようにします
- 管理者が交代した際にアカウントの管理者権限を引き継ぐ:担当者個人のGoogleアカウントだけで管理していると、異動・退職時に管理権限を失うことがあります
地域連携薬局など、他の制度で公表している情報とあわせて確認する視点は、地域連携薬局の認定要件|申請の流れと1年ごとの更新でも扱っています。
5. 落とし穴
- 重複プロフィールを作ってしまう:以前の担当者が作った、またはGoogleが自動生成したプロフィールに気づかず、新しく作成すると表示が分裂します
- クチコミの効能効果に関する記載を宣伝に使う:薬機法第66条に触れるおそれがあります
- 管理者個人のアカウントに紐付けたまま放置する:異動・退職時に更新できなくなります
6. まとめ
- ビジネスプロフィールは1店舗に1つ。複数店舗は店舗ごとに作成する
- オーナー確認を済ませてから、薬局名・住所・営業時間を薬局機能情報提供制度やホームページとそろえる
- クチコミへのインセンティブ提供・投稿の強要はGoogleのポリシーで禁止されている
- 医薬品の効能・効果を保証するかのようなクチコミの記載を、薬局側が誘導・広告に利用することは薬機法第66条に触れるおそれがある
参考資料
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google でのビジネス情報の表示に関するガイドライン」:https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネスのオーナー確認を行う」:https://support.google.com/business/answer/7107242?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミに関するポリシー」:https://support.google.com/business/answer/2622994?hl=ja
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条(e-Gov 法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145